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おめでとう、ありがとう(うつ+たか)
高崎誕生日おめめ!
ってな感じの話です。
宇都宮の誕生日をスルーしたのはまぁそれなりに事情があったのですが、まとめて書いてみました。
本当は絵で描きたかったんだけどな!明らかに今日中に終わらないフラグだったので文章でサクッと。
うつたかのようなたかうつのような宇都宮+高崎です。
ただの兄妹です。
高崎はいいお兄ちゃんです。
でも俺がこの二人書いてもまったく萌えるものにしあがらないんだよね、何故…
萌える高崎をください。
ってな感じの話です。
宇都宮の誕生日をスルーしたのはまぁそれなりに事情があったのですが、まとめて書いてみました。
本当は絵で描きたかったんだけどな!明らかに今日中に終わらないフラグだったので文章でサクッと。
うつたかのようなたかうつのような宇都宮+高崎です。
ただの兄妹です。
高崎はいいお兄ちゃんです。
でも俺がこの二人書いてもまったく萌えるものにしあがらないんだよね、何故…
萌える高崎をください。
***
「HAPPY BIRTHDAY 高崎」
後ろから掛けられた声と頬に触れた冷たさに驚いて振り返れば、缶コーヒーを差し出して笑う宇都宮の姿があった。プレゼントだよ、と言って差し出されたそれには、なるほど、ピンク色のリボンが結ばれている。複雑な想いでそれを受け取ると、不服なの?と相変わらずの笑顔で問いかけてくるものだから、何と答えてよいわかからずにその顔を見返す。
「何?」
「いや…その。お前さ、自分が祝われんのは嫌がるくせに、人のことは祝うんだな」
いつの頃からだったか、宇都宮は自分の誕生日、っつまり開業記念日におめでとうと言われることを嫌がるようになった。昔は日が近いこともあって、お互いにおめでとうと言い合っていたのに。今年も、つい先日過ぎたその日には宇都宮が東北方面の勤務だったこともあり顔を合わせることも無かった。並んで走ってきたその相方の大事な記念日に、おめでとうと一言言うことの何が嫌なのか、高崎にはわからない。理由は聞いても返ってこなかった。
「別にいいじゃない。僕を祝わないことで君に不利益があるわけじゃないだろう?」
「そうかもしんねぇけど…」
確かに困ることなど一つもない。むしろ高価なプレゼントを要求されても困るわけで。けれど、そういうことではなくて。
「気分的な問題っつーかさ」
「…だっておめでとうなんて言うのも、何だか滑稽じゃない?」
「どういう意味だよ」
「鉄道輸送は今じゃ時代遅れだって言われてる。廃線になる路線も、本数を減らされるところも、第三セクターになるくらいならまだ可愛いものだよね。僕だって、いつまで本線なんてきどってられるのか」
言いながら、宇都宮は始終笑顔だった。そうして見上げた先には新幹線の高架がある。恨んでいるのだろうか、悲しんでいるのだろうか。その胸中を完全には推し量れない。高崎自身、絶望も挫折も知っているだけに、簡単に言葉をかけるのは躊躇われるのだ。
「でも…お前が走り始めた日だ。お前が東北線でも、宇都宮線でも俺には関係ねぇ」
「…酷いなぁ」
「酷くねぇよ。少なくとも上野から大宮まで、ずっと並んで走ってるのはお前だろ」
お前じゃないなら誰なんだよ。並走路線が他にないわけではないけれど、それでも。真直ぐにその目を見つめていえば、そうだね、とどこか困ったように笑った。そんな笑い方をしてほしいわけじゃない。心の底から笑えとか無理を言うつもりもない。でも、そんな悲しそうに笑うくらいなら、嘘でいいからいつものふてぶてしい笑みの方がよほどマシだ。
「ちょっと待ってろ」
「何」
言って、近くの自動販売機で缶コーヒーを一本買う。渡された缶に結ばれていたリボンを解き、今買ったばかりのそれに結び直す。冷たい缶コーヒーを宇都宮の目の前に差し出すと、面食らったような顔で、もう一度、何、と呟いた。
「やる」
「…だから、何で」
「おめでとうって言われんの嫌なんだろ?だから、ありがとう、だ」
ほら、と宇都宮の手に無理やりそれを持たせると、わけがわからないとでも言いたげな顔で高崎を見返してきた。
「だから、今まで一緒に走ってきてくれて」
「…何それ」
「今日は俺の誕生日だからな、お前を祝うわけじゃねぇんだよ」
おめでとうと言わせてくれないならば。言葉は違ってもそこにある想いはきっと同じ。
「ありがと、高崎」
「…おぅ」
今までも、これからも、変わらずにそこにあって、どうか隣で走り続けて。
***
いわゆる恋愛じゃない形の愛が好きです。
大事だし特別なのは間違いないけど、じゃあどうしたいのっていうとどうもしたくないっていうか。
欲しいとか思わなくてもそこにいるのが当たり前なのがいいよね、っていう。
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