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言葉なく(上越宇都宮)
上越と宇都宮でRがつきそうな内容です。
正直俺の中でどっちも右固定なのですごく気持ちわるい仕上がりです。
でもせっかく書いたから上げとく。
あとで耐えられなくなったら下ろすかも。
上官本線、高崎上越前提のすごく仲の悪い二人です。
どうしてそうなった?ていう突っ込みは無しの方向でお願いしたいww
どうでもいいけどひらがなでえつうつって書いたら何か面白いなこれ。
じょーうつのがよかったかな(どうでもいい)
本当は某所のえろのみや企画に参加したかったんだけど、全然エロくないので取りやめました…
つーかエロって何…
正直俺の中でどっちも右固定なのですごく気持ちわるい仕上がりです。
でもせっかく書いたから上げとく。
あとで耐えられなくなったら下ろすかも。
上官本線、高崎上越前提のすごく仲の悪い二人です。
どうしてそうなった?ていう突っ込みは無しの方向でお願いしたいww
どうでもいいけどひらがなでえつうつって書いたら何か面白いなこれ。
じょーうつのがよかったかな(どうでもいい)
本当は某所のえろのみや企画に参加したかったんだけど、全然エロくないので取りやめました…
つーかエロって何…
***
似ている、と評されたその性格を、完全には否定できないと思っている。己の中にある激情も、薄暗い想いも、走り続けることや双子と称される相棒への執着も。似ていると言われれば似ているかもしれない。けれど違う。それはお互いによくわかっている。
「どんな顔するの?」
「何の話ですか」
「君を抱く東北と、東北に抱かれる君がどんな顔をしてるのかと思って」
どんなセクハラですか、と口に出そうになったが、そもそも普段からシャツを肌蹴て着るような人物だ。立っているだけでセクハラだと言われておかしくないような人間に、その悪態は悪態にもならない。
「高崎は可愛いんだよ。見せてあげたいけど、見せなくても君は知ってそうだよね」
「楽しそうでなによりです」
「ねぇ、教えてよ。君は君の知らない時間の高崎を知ってるのに、僕は僕の知らない時間の東北を知らないなんて、ずるいじゃない」
知りたいな、と悪戯っ子の様に微笑むそれは凶悪で。大抵のことならそつなくこなせる宇都宮が持っていない、惚気るというスキルに軽く眩暈を覚えた。そもそも宇都宮と東北の関係は、世間でいう恋人同士の様に甘くない。甘い言葉は一つとしてなく、では空気が甘いのかと問われればそれも違う。
「残念ながら、あなたが面白がるような要素はありませんよ」
「へぇ、じゃあ顔色一つ変えないってこと。あの仏頂面で抱かれて君もよくその気になるねぇ」
けたりと笑った上越は心底楽しそうで。どうしたものかと宇都宮は内心で溜息をつく。実際は面白くないのだろう。自分の片割れと、嫌っている相手がそういう仲であるなど。宇都宮自身がそうなのだから。誤魔化すために茶化す。全力で。
「そんなに見てみたいなら、上越上官から誘ったらよろしいのではないですか?」
「は?」
「東北上官を、ベッドへ」
まるで何でもないことの様に言ってのける宇都宮に、今度は上越が驚く番だ。驚いて、納得した。同じようなことを自分も言ったかもしれないと。嫌がらせ成分の多分に含まれた冗談は、時として非常に際どく危うい。わかっていて言うのだから、これをタチが悪いというのだろうが。
「僕はあんな能面に抱かれたいと思うほどマゾでも変態でもないよ」
「とんだ言い分ですね」
それは宇都宮がそうだと言っているようなものなのだが、器用に片眉を上げるだけの反応はそれも予想の範疇の返答だったということだろう。
「で、その能面に好き好んで抱かれてる特殊性癖の君はどんな顔をするの?」
「好き好んで抱かれてなんていませんよ。あなたじゃあるまいし」
「好きでもないのに男に抱かれるってそれは十分変態の域だと思うけど」
「抱くとか抱かれるとか、あなたが思うような甘い関係ではないというだけです」
へぇ、と面白そうに声を上げた上越は、すぅと目を細めて狐の様に笑った。
「じゃあ、僕とも寝られるの?」
戯れ合いの延長の様に、シャツを開け肌に触れ、残された痕をなぞるように歯を立て爪を立てる。興味もない相手の性生活を覗き見るように、腹の探り合いを続けながら雪崩れるようにシーツに沈んだ肌の熱さに視界が霞む。
「声の一つも漏らさないんだね、君は」
「自分のそんな声、聞きたくもないでしょう?」
「そうかな」
女のような顔に、女のような白い肌。確かに男だと知っていながら、けれどそうしたものを持ち合わせているならば甘く鳴く声も魅力的かもしれない。そうして陶酔できるならそれもいい。けれど。
「自分の声、嫌いなの?」
「そういう声は、好きではありませんよ」
「東北は聞きたがるんじゃない?」
ねぇ、と笑いながら内側を抉る細く長い指にがくんと首が仰け反る。噛み締めた唇が切れて血が滲んでいることは鉄錆の味で知っていたが、けれど今更声を洩らすのも寛容できるものでもなく。ぺろりと効果音がつきそうな仕草で唇を舐めるそれに応えるように、仕方無しに薄ら唇を開ける。ぬるりと滑り込む舌の感触から逃れるように、溺れてしまわないようにシーツを握りしめる。
「僕も、聞いてみたいな」
「…あなたにあげてもいいような甘さは生憎持ち合わせておりません」
「そう、残念」
離れた唇と、揶揄いを含めていう言葉に出来る限り綺麗に見えるように笑って見せる。丁寧過ぎるほど丁寧に、時間をかけて解されたそこは既に三本の指を飲みこんで、継ぎ足されたローションがにちゃにちゃと粘性の水音を伴って泡立っている。
「ゴム、必要?」
「できれば」
「じゃあしなくていっか」
「…」
ずるりと指を引き抜かれて何となく物足りないような感覚に、それは無い、と胸中で自身を叱りつける。目の前の上官ほど、欲しがりではないはずだ。そうして耐える宇都宮の様子が可笑しく、上越もまた笑ってみせる。目の前にある、口を開けば憎まれ口しか叩かない部下の痴態に興奮するかと問われれば、100%イエスとは答えないまでも、己の手で立ち上げた息子が萎えない程度には下腹に来るものがある。宣言通り、ゴムはしないまま収縮する秘部に熱を押しこむと、先ほどとは打って変わって開けたままの唇が緩やかに深く呼吸を繰り返す。
「僕のじゃ満足できないかもね。ごめんね?」
「最初、から…満足させたくて、抱いているわけでもない、でしょう」
苦しそうに、けれどまだ余裕だという表情を作って見せる様はなかなかだと思う。受け入れることは拒まない。けれど簡単には満足しない。そういう顔をして東北を挑発するのだろうか、と。
「東北って、イくまで長そうだよね」
「…、はっ…高崎は、早そうですね」
根元まで押しこんでしまえば、もう必要ないと手の甲を当てて唇を塞いでしまう。剥がしてみたい。東北の前でこの生意気な部下がどれほどの甘い顔を見せるのか。もしかしたら、甘く蕩けた表情など東北にも見せないのだろうか。
「声、聞きたいな」
「…嫌です」
「東北にも聞かせないの?」
「基本的には」
緩やかに分けて与えるような律動を繰り返す。内側を抉るそれに、慣れることなどないと上越自身身をもって知っているから、会話ができる程度の余裕を持って。
「高崎、は、こんな風にはしないでしょう」
「こんな風にって?」
「こんな、ゆっくり。上越上官も、もっと激しい方がお好みでしょうに」
「それはそうして欲しいってこと?」
唇に手をあてたまま、うっかり甘い声など漏らさないように。宇都宮の言葉の深いところは、言わなくても伝わってしまうのだろうと思うと何とも腹立たしく、けれどこうなることをわかって諾としたのだから諦めなければならない。
「…あぁ、そういうこと」
わかってしまう上越は上越で、言葉より雄弁な惚気に顔を顰める。つまり、東北が宇都宮を抱くときにそうするのだ。熱を分ける様に緩やかに。違う人間に同じように抱かれるのが気に入らないと、そう言いたいのだ。いっそわかりやすく言葉で惚気てもらった方がいいと思えるほどの、宇都宮の言う『あげてもいい甘さ』がそこにあって。
「まぁ、いいよ。僕がそうだってことにしといてあげる」
「口にしなければ、もう少しあなたへの評価も上がるのですが」
「君に評価して欲しいと思ってるわけじゃないからね」
「知っています」
細くない脚を抱え、口を覆い隠した手を剥がす。少しだけ驚いたような顔をしたが、ぐんと深く突き上げると、ひ、と息を吸い込んで硬く目が閉じられた。それなりに乱暴に、ベッドが苦しそうに軋む音を聞きながら、追い詰めるというよりはただ自身の欲を放つために奥へ奥へ。指で拡げた時に見つけたそこを、わざと叩きつけるように抉れば、暫くの後ガクガクと腰が震え腹に飛び散った微温い欲の残滓。釣られるように達する寸前、どうにか自身を引き抜いて中へ出すことはしない。面倒でもゴムはすればよかったと溜息をつく上越に、宇都宮は肩で息をしながら怪訝な視線を向けた。
「…後処理面倒でしょ?」
「まぁ、そうですけど。だったら最初からゴムをつければよかったのでは?」
「気持ちいい方がいいもの」
「はぁ…」
呆れたようなうんざりしたような宇都宮の表情に、意図は正しく伝わっているらしいと上越は苦笑を零す。相手が高崎ならばそんな配慮はしないのだ。どうせ受け入れるのは自分なのだし、溺れるように縋るように自分を抱く高崎はそのまま溺れさせていたいと思うほど可愛いのだから仕方ない。
「東北に怒られるかなぁ」
「怒らないと思いますよ」
「…君ってさ、たまに人の気持ち全力で踏みにじるよね」
「上官方ほど若くありませんので」
見た目こそ自分たちより若いが、歴史で言えばなるほど、自分たちより遥かに長い時間を走っているわけで。今更好いた惚れたはお気に召さないということか。その割に東北の部下として、それなりの執着があるように見せているのだから、簡単ではないのだろう。
「まぁでも、そうですね。気持ちいい方がいい、というのには全面的に同意です」
「…改めて思ったけど、君のこと嫌いだよ」
「ありがとうございます」
どこか拗ねたように視線を逸らす上越に、宇都宮はにっこりと笑って見せる。こちらこそ、あなたのことが嫌いですと、その笑みに貼り付けて。一言で表すには複雑過ぎる感情を抱いた相棒を、簡単に譲り渡すこともできない。似ていると他人から見て言われる以上に、本人同士が自覚している。言葉にしなくとも分かり合える関係というのは、薄暗い部分も結局理解できてしまうということで。とどのつまり、性格の相性は悪くても体の方はそういかなかったということ。
「明日東北に顔合わせるの嫌になってきた」
「僕も、高崎に会うのが多少億劫です」
「どうせ顔色変えないくせに」
「お互いさまでしょう」
笑いもせずに言い合って、バスルームに消える上越の背を眺める。白くそれほど肉付きが良いわけでもない体。その背に高崎が残したであろう痕を見て、宇都宮は笑みを零した。自分たちより余程、いっそ幼いと言ってもいいほどの恋愛をしているくせに、こんなにあっさり他人と肌を重ねるなんて。可哀想な高崎、と翌日の朝を想像して楽しくなる。ついでのように己の上官の顔を思い出して、焦ったり怒ったりするのだろうかとあまり想像のつかないその激情に、人知れず笑みを深くした。
惚気は言葉がない方が強烈で迷惑なものである。
***
もっとささくれ立ってるはずだったんだけどエロ部分色々端折ったら(これでも減らしたんだよ!7割くらい!←)割とまったりした。
宇都宮と上越の場合、舌戦が基本だから、会話が無いと上手く成り立たないんだなぁ…
ぶっちゃけ、うつたかとか東北上越よりも宇都宮と上越の方が言葉にしなくても分かり合える部分が多いんじゃないかと思うの。
似た者同士ってそういうこと。
遠まわしだったり、捻くれてたりするわけで、基本的にはどっちも素直なんだろうなぁ。
素直って言うか正直。
だから仲良くできないっつーか。
あと、攻め上越を初めてまとも(?)に書いたけどやっぱしっくりこない!
この人はどう転んでも受けだよ…俺の中で。
似ている、と評されたその性格を、完全には否定できないと思っている。己の中にある激情も、薄暗い想いも、走り続けることや双子と称される相棒への執着も。似ていると言われれば似ているかもしれない。けれど違う。それはお互いによくわかっている。
「どんな顔するの?」
「何の話ですか」
「君を抱く東北と、東北に抱かれる君がどんな顔をしてるのかと思って」
どんなセクハラですか、と口に出そうになったが、そもそも普段からシャツを肌蹴て着るような人物だ。立っているだけでセクハラだと言われておかしくないような人間に、その悪態は悪態にもならない。
「高崎は可愛いんだよ。見せてあげたいけど、見せなくても君は知ってそうだよね」
「楽しそうでなによりです」
「ねぇ、教えてよ。君は君の知らない時間の高崎を知ってるのに、僕は僕の知らない時間の東北を知らないなんて、ずるいじゃない」
知りたいな、と悪戯っ子の様に微笑むそれは凶悪で。大抵のことならそつなくこなせる宇都宮が持っていない、惚気るというスキルに軽く眩暈を覚えた。そもそも宇都宮と東北の関係は、世間でいう恋人同士の様に甘くない。甘い言葉は一つとしてなく、では空気が甘いのかと問われればそれも違う。
「残念ながら、あなたが面白がるような要素はありませんよ」
「へぇ、じゃあ顔色一つ変えないってこと。あの仏頂面で抱かれて君もよくその気になるねぇ」
けたりと笑った上越は心底楽しそうで。どうしたものかと宇都宮は内心で溜息をつく。実際は面白くないのだろう。自分の片割れと、嫌っている相手がそういう仲であるなど。宇都宮自身がそうなのだから。誤魔化すために茶化す。全力で。
「そんなに見てみたいなら、上越上官から誘ったらよろしいのではないですか?」
「は?」
「東北上官を、ベッドへ」
まるで何でもないことの様に言ってのける宇都宮に、今度は上越が驚く番だ。驚いて、納得した。同じようなことを自分も言ったかもしれないと。嫌がらせ成分の多分に含まれた冗談は、時として非常に際どく危うい。わかっていて言うのだから、これをタチが悪いというのだろうが。
「僕はあんな能面に抱かれたいと思うほどマゾでも変態でもないよ」
「とんだ言い分ですね」
それは宇都宮がそうだと言っているようなものなのだが、器用に片眉を上げるだけの反応はそれも予想の範疇の返答だったということだろう。
「で、その能面に好き好んで抱かれてる特殊性癖の君はどんな顔をするの?」
「好き好んで抱かれてなんていませんよ。あなたじゃあるまいし」
「好きでもないのに男に抱かれるってそれは十分変態の域だと思うけど」
「抱くとか抱かれるとか、あなたが思うような甘い関係ではないというだけです」
へぇ、と面白そうに声を上げた上越は、すぅと目を細めて狐の様に笑った。
「じゃあ、僕とも寝られるの?」
戯れ合いの延長の様に、シャツを開け肌に触れ、残された痕をなぞるように歯を立て爪を立てる。興味もない相手の性生活を覗き見るように、腹の探り合いを続けながら雪崩れるようにシーツに沈んだ肌の熱さに視界が霞む。
「声の一つも漏らさないんだね、君は」
「自分のそんな声、聞きたくもないでしょう?」
「そうかな」
女のような顔に、女のような白い肌。確かに男だと知っていながら、けれどそうしたものを持ち合わせているならば甘く鳴く声も魅力的かもしれない。そうして陶酔できるならそれもいい。けれど。
「自分の声、嫌いなの?」
「そういう声は、好きではありませんよ」
「東北は聞きたがるんじゃない?」
ねぇ、と笑いながら内側を抉る細く長い指にがくんと首が仰け反る。噛み締めた唇が切れて血が滲んでいることは鉄錆の味で知っていたが、けれど今更声を洩らすのも寛容できるものでもなく。ぺろりと効果音がつきそうな仕草で唇を舐めるそれに応えるように、仕方無しに薄ら唇を開ける。ぬるりと滑り込む舌の感触から逃れるように、溺れてしまわないようにシーツを握りしめる。
「僕も、聞いてみたいな」
「…あなたにあげてもいいような甘さは生憎持ち合わせておりません」
「そう、残念」
離れた唇と、揶揄いを含めていう言葉に出来る限り綺麗に見えるように笑って見せる。丁寧過ぎるほど丁寧に、時間をかけて解されたそこは既に三本の指を飲みこんで、継ぎ足されたローションがにちゃにちゃと粘性の水音を伴って泡立っている。
「ゴム、必要?」
「できれば」
「じゃあしなくていっか」
「…」
ずるりと指を引き抜かれて何となく物足りないような感覚に、それは無い、と胸中で自身を叱りつける。目の前の上官ほど、欲しがりではないはずだ。そうして耐える宇都宮の様子が可笑しく、上越もまた笑ってみせる。目の前にある、口を開けば憎まれ口しか叩かない部下の痴態に興奮するかと問われれば、100%イエスとは答えないまでも、己の手で立ち上げた息子が萎えない程度には下腹に来るものがある。宣言通り、ゴムはしないまま収縮する秘部に熱を押しこむと、先ほどとは打って変わって開けたままの唇が緩やかに深く呼吸を繰り返す。
「僕のじゃ満足できないかもね。ごめんね?」
「最初、から…満足させたくて、抱いているわけでもない、でしょう」
苦しそうに、けれどまだ余裕だという表情を作って見せる様はなかなかだと思う。受け入れることは拒まない。けれど簡単には満足しない。そういう顔をして東北を挑発するのだろうか、と。
「東北って、イくまで長そうだよね」
「…、はっ…高崎は、早そうですね」
根元まで押しこんでしまえば、もう必要ないと手の甲を当てて唇を塞いでしまう。剥がしてみたい。東北の前でこの生意気な部下がどれほどの甘い顔を見せるのか。もしかしたら、甘く蕩けた表情など東北にも見せないのだろうか。
「声、聞きたいな」
「…嫌です」
「東北にも聞かせないの?」
「基本的には」
緩やかに分けて与えるような律動を繰り返す。内側を抉るそれに、慣れることなどないと上越自身身をもって知っているから、会話ができる程度の余裕を持って。
「高崎、は、こんな風にはしないでしょう」
「こんな風にって?」
「こんな、ゆっくり。上越上官も、もっと激しい方がお好みでしょうに」
「それはそうして欲しいってこと?」
唇に手をあてたまま、うっかり甘い声など漏らさないように。宇都宮の言葉の深いところは、言わなくても伝わってしまうのだろうと思うと何とも腹立たしく、けれどこうなることをわかって諾としたのだから諦めなければならない。
「…あぁ、そういうこと」
わかってしまう上越は上越で、言葉より雄弁な惚気に顔を顰める。つまり、東北が宇都宮を抱くときにそうするのだ。熱を分ける様に緩やかに。違う人間に同じように抱かれるのが気に入らないと、そう言いたいのだ。いっそわかりやすく言葉で惚気てもらった方がいいと思えるほどの、宇都宮の言う『あげてもいい甘さ』がそこにあって。
「まぁ、いいよ。僕がそうだってことにしといてあげる」
「口にしなければ、もう少しあなたへの評価も上がるのですが」
「君に評価して欲しいと思ってるわけじゃないからね」
「知っています」
細くない脚を抱え、口を覆い隠した手を剥がす。少しだけ驚いたような顔をしたが、ぐんと深く突き上げると、ひ、と息を吸い込んで硬く目が閉じられた。それなりに乱暴に、ベッドが苦しそうに軋む音を聞きながら、追い詰めるというよりはただ自身の欲を放つために奥へ奥へ。指で拡げた時に見つけたそこを、わざと叩きつけるように抉れば、暫くの後ガクガクと腰が震え腹に飛び散った微温い欲の残滓。釣られるように達する寸前、どうにか自身を引き抜いて中へ出すことはしない。面倒でもゴムはすればよかったと溜息をつく上越に、宇都宮は肩で息をしながら怪訝な視線を向けた。
「…後処理面倒でしょ?」
「まぁ、そうですけど。だったら最初からゴムをつければよかったのでは?」
「気持ちいい方がいいもの」
「はぁ…」
呆れたようなうんざりしたような宇都宮の表情に、意図は正しく伝わっているらしいと上越は苦笑を零す。相手が高崎ならばそんな配慮はしないのだ。どうせ受け入れるのは自分なのだし、溺れるように縋るように自分を抱く高崎はそのまま溺れさせていたいと思うほど可愛いのだから仕方ない。
「東北に怒られるかなぁ」
「怒らないと思いますよ」
「…君ってさ、たまに人の気持ち全力で踏みにじるよね」
「上官方ほど若くありませんので」
見た目こそ自分たちより若いが、歴史で言えばなるほど、自分たちより遥かに長い時間を走っているわけで。今更好いた惚れたはお気に召さないということか。その割に東北の部下として、それなりの執着があるように見せているのだから、簡単ではないのだろう。
「まぁでも、そうですね。気持ちいい方がいい、というのには全面的に同意です」
「…改めて思ったけど、君のこと嫌いだよ」
「ありがとうございます」
どこか拗ねたように視線を逸らす上越に、宇都宮はにっこりと笑って見せる。こちらこそ、あなたのことが嫌いですと、その笑みに貼り付けて。一言で表すには複雑過ぎる感情を抱いた相棒を、簡単に譲り渡すこともできない。似ていると他人から見て言われる以上に、本人同士が自覚している。言葉にしなくとも分かり合える関係というのは、薄暗い部分も結局理解できてしまうということで。とどのつまり、性格の相性は悪くても体の方はそういかなかったということ。
「明日東北に顔合わせるの嫌になってきた」
「僕も、高崎に会うのが多少億劫です」
「どうせ顔色変えないくせに」
「お互いさまでしょう」
笑いもせずに言い合って、バスルームに消える上越の背を眺める。白くそれほど肉付きが良いわけでもない体。その背に高崎が残したであろう痕を見て、宇都宮は笑みを零した。自分たちより余程、いっそ幼いと言ってもいいほどの恋愛をしているくせに、こんなにあっさり他人と肌を重ねるなんて。可哀想な高崎、と翌日の朝を想像して楽しくなる。ついでのように己の上官の顔を思い出して、焦ったり怒ったりするのだろうかとあまり想像のつかないその激情に、人知れず笑みを深くした。
惚気は言葉がない方が強烈で迷惑なものである。
***
もっとささくれ立ってるはずだったんだけどエロ部分色々端折ったら(これでも減らしたんだよ!7割くらい!←)割とまったりした。
宇都宮と上越の場合、舌戦が基本だから、会話が無いと上手く成り立たないんだなぁ…
ぶっちゃけ、うつたかとか東北上越よりも宇都宮と上越の方が言葉にしなくても分かり合える部分が多いんじゃないかと思うの。
似た者同士ってそういうこと。
遠まわしだったり、捻くれてたりするわけで、基本的にはどっちも素直なんだろうなぁ。
素直って言うか正直。
だから仲良くできないっつーか。
あと、攻め上越を初めてまとも(?)に書いたけどやっぱしっくりこない!
この人はどう転んでも受けだよ…俺の中で。
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